コラム
⑪インプラント治療におけるデジタル技術の応用〜インプラントコラム〜
「公益社団法人日本口腔インプラント学会認定専門医」としてインプラント治療を検討されている方に向けて、出来るだけ噛み砕いてわかりやすく正しい情報をお伝えしています。
今回のテーマは「インプラント治療におけるデジタル技術の応用」です。
近年,インプラント治療の領域においてもデジタル技術の導入が進み、より安全、安心な治療を行うことに繋がっています。
ここでは当院で導入している2つのデジタル技術をご紹介します。
1「ガイドサージェリー」
ガイドサージェリーは、インプラント手術を行う際に使用される手法です。以下が手順です。
1)コンピューターソフトを使って、あごの骨の形態、神経の位置、かみ合わせなどを分析し、インプラントを埋めるべき位置や種類、サイズを設計します。
2)3Dシミュレーション設計データを元に、手術用のガイド(サージカルガイド)を作製します。
3)手術時に、作成したサージカルガイドを歯ぐきの上に固定し、インプラントを埋め込みます。
この手術ガイドの使用により、より正確な手術が可能となり、手術時間の短縮や負担の軽減、さらにはフラップレス埋入(歯ぐきを切らない埋入法)が可能な場合もあります。
2.3D解析システム SIMPLANT(シンプラント)
SIMPLANT®(シンプラント)は、インプラント治療のために開発された3Dコンピューターシミュレーションシステムです。このシステムでは、CTスキャンで撮影された数百枚の連続画像を処理し、患者さんの骨格を立体的に再現します。立体情報を基に、インプラントの埋入位置をシミュレーションすることで、正確な診断と治療計画が可能になっています。
CT画像と口腔内模型をSIMPLANT上でマッチングさせることで、インプラントのサイズ選択やドリリング位置、角度、深度などをコントロールすることができます。これにより、術前に分析を行い、治療計画を立案し、患者様に術前説明を行うことができます。安心・安全なインプラント治療を提供するためのツールとして活用されています。
次回は最終回となり、インプラントのメンテナンスについてお伝えします。