コラム
⑨骨組織、軟組織のマネジメント〜インプラントコラム〜
「公益社団法人日本口腔インプラント学会認定専門医」としてインプラント治療を検討されている方に向けて、出来るだけ噛み砕いてわかりやすく正しい情報をお伝えしています。
今回のテーマは
「骨組織、軟組織のマネジメント」です。
インプラント治療はあごの骨にインプラント体を埋入するため、あごの骨の量が大切になります。
では、あごの骨がやせて(少なく)なってしまっている場合はインプラント治療を諦めなければならないのでしょうか?いいえ、あごの骨を増やすための様々な方法があります。
骨の形態、部位や選択する術式によりその難易度は異なりますが、代表的な方法についてご紹介致します。
●GBR(骨再生誘導法)
骨が失われた部位に人工骨や自分の骨を移植したり、メンブレンやチタンメッシュ等を用い骨造成のためのスペースを確保し、骨の造成を図る治療のことです。
治癒待機期間は4~6ヶ月です。
●ソケットリフト(上顎洞底挙上術)
上顎の骨の造成手術の術式のひとつで、インプラントを埋め込むのに十分な骨の高さが上顎にない場合に、上顎洞の歯槽頂側からアプローチして上顎洞底部を持ち上げて隙間を作り、骨補填材を填入して骨移植や再生療法などで骨造成を誘導する治療法です。
治癒待機期間は3ヶ月です。
●サイナスリフト(上顎洞底挙上術)
ソケットリフト同様に、インプラントを埋め込むのに十分な骨の高さがより上顎にない場合に、上顎洞の側方からアプローチして上顎洞底部を持ち上げて隙間を作り、骨補填材を埋入して骨移植や再生療法などで骨造成を誘導する治療法です。
治癒待機期間は6~8ヶ月です。
●ブロック骨移植
ブロック状の骨を下顎の奥から採取し、骨が不足している部分へ移植、固定する方法です。
術式によっては複数回の手術が必要になる場合があるため、専門的な知識・技術・設備などが必要となります。
出典元:
口腔インプラント治療指針2020 公益社団法人 日本口腔インプラント学会編
ボーンオグメンテーションの実践 ゼニス出版
トランスファーコントロール インプラテックス 歯科総合カタログ
〜⑩インプラント 補綴(人工の歯)法〜
につづく。