コラム

③口腔インプラントの画像診断~インプラントコラム~

「公益社団法人日本口腔インプラント学会認定専門医」として「インプラント治療」を検討されている方に向けて、出来るだけ噛み砕いてわかりやすく正しい情報をお伝えしています。

今回のテーマは
「③口腔インプラントの画像診断」についてお話していきましょう。

まず、インプラントの画像診断の目的です。大きく分けて6つあります。

1.術前の顎骨の骨量、骨質の検査

2.治療計画シミュレーションへの利用

3.ガイデットサージェリーやCAD/CAMへの応用
ガイデッドサージェリー:専用のソフトウェアを用いて、コンピュータ上でインプラント治療を計画した後、手術用のガイドを作製し、ガイドを用いてインプラント手術を行うこと。
CAD/CAM:CADとはコンピューターによる設計支援、CAMはコンピューターによる製造支援という意味で口腔内に装着するクラウンやインレーなどの補綴物をCADやCAMのシステムを用いて設計、作製する技術。

4.インプラント治療の障害となる疾患の把握

5.インプラント治療へのインフォームド・コンセント
インフォームド・コンセント:医師と患者との十分な情報を得た上での合意を意味する概念。

6.インプラント治療後の経過観察

です。

 

また、診療のガイドラインにて推奨される画像検査の時期と検査法は以下となります。

初診時:パノラマエックス線検査および口内法エックス線検査(顎骨の骨量や骨室および障害となる疾患のスクリーニング(振り分け)も行います)

術前画像検査:診断用テンプレートを用いたCT検査

経過観察時:口内法エックス線検査

緊急時:CT検査(広範な骨吸収や骨髄炎などの重篤な疾患併発時)

これら検査目的や時期にかなった画像検査法を選択し、インプラント治療の治療計画、周術期、経過観察に適切に用いることが大切となります。


エックス線検査という言葉は聞かれたことがある方も多いと思いますが、いくつか種類があり、それぞれ特徴が違います。


単純エックス線検査:二等分法と平行法による口内法があり、インプラント周囲の骨レベルの観察は平行法が推奨されています。インプラント治療後の経過観察や定期的なインプラント周囲炎などの画像検査はこちらを優先します。

パノラマエックス線検査:総覧像による画像検査は治療計画の立案や患者へのインフォームド・コンセントおよびインプラント治療の妨げとなる疾患の把握に重要な検査法です。

歯科用CT:撮影装置とコンピュータ処理により撮影データを3次元的に構築し、骨の状態などが正確・高精度に診断できる装置のことです。顎骨の多方向からのCT断面像、CTシミュレーションなどによる術前診断は、インプラント治療のためには必要な画像検査法です。

エックス線検査は被ばくを伴いますので、術前の読影、術前のシミュレーションやガイドサージェリーなどへの使用のみならず、必要に応じてその後も何回も繰り返し使用し、出来る限り患者さんのご負担を少なくすることを心がけております。

 

これら様々な種類の画像診断がありますが、画像診断で検出されるインプラント治療の障害となる疾患をご紹介します。

1.放射線治療後の顎骨異常
2.骨粗鬆症(BP製剤などの骨吸収抑制服用患者は特に注意)
3.炎症性疾患や感染症など

画像検査の際には、インプラント体の埋入に関する読影はもちろん、なんらかの疾患が発見された際には、患者さんにきちんと報告し、症例によってはこれらの疾患の治療を優先し治療後に再度インプラント治療を行うことをご提案することも珍しくありません。また、画像検査データについては、個人情報となりますので安全に取り扱うことを徹底しております。

 

~④治療計画~
につづく。

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